引き際考
人生100年と言われると、定年後は余生というライフプランが崩れる。
就職氷河期に、真っ当な会社に、真っ当な正社員として入社できなかった時点で、定年も退職金もライフプランもなかった世代としては、一生何とかして働き続けるしかないなあという感覚。
この特集、引き際として、いくつかの切り口でまとめた記事があり、どの視点も示唆に富んでいておもしろい。
- スポーツ選手の引き際
- クルマの引き際
- 経営者の引き際
- 歴史にみる引き際
- 女性と引退
- 潔くさらないという発想
特に自分が興味を引いたのは、「女性と引退」「潔く去らないという発想」でした。
「女性と引退」では、女性一人一人の物語を語られることは今までになく、語られるのは「内助の功」の物語ばかりが再生産され続けている現状に警鐘を鳴らす話でした。 「結婚」「内助の功」と行った安直で貧困な物語の再生産をし続けている限り、日本の社会は変わらないというお話でした。
そして、特集の最後に書かれていたのが、「潔く去らないという発想」
潔く去るということで、生まれる悲劇の物語の反復を止めよう。 悲劇を変えるためにこそ、時間を得て、ダラダラ生きて参りましょう、 物語を変えるのはグズグズとした生き方ではないだろうか。
ダラダラ生きていく、そういう発想を持つことが、現代を生きていく処方箋なのかもしれないと思いました。